はじめまして、くろさわゆうこです。

さて、みなさん子どもと一緒に絵本を読む時、どんな内容のものを選びますか?

年齢や男の子か女の子か、もちろんその子の興味や今一番ハマっているもの、あるいは親が読み聞かせてあげたいなぁと思うものなど、その時々で選ぶ本は様々だけど、

中でも「食べもの」の絵本は子どもに人気で、うれしそうに読みますよね!

身近な内容を題材にしているので親しみやすく、子どもの「食べること」への関心や意欲にも繋がりやすいことから、食べもについての絵本は種類もいっぱい。

その中でも出てくる食べものすべてが木版画で描かれた絵本があるのはご存知ですか?

そこで、今回は彦坂木版工房が手がける10月に出版されたばかりの新作絵本『ケーキ やけました』を紹介。

木版画で表現された食べもの絵本の魅力をお伝えします!

 

●木版画で絵本!? 作者の「彦坂木版工房」ってどんな人たち??

絵本ではなかなか見かけない”木版画”という手法で本作りを手がける「彦坂木版工房」は、彦坂有紀さんともりといずみさんのお二人で制作活動をしています。

cake15

彦坂木版工房は、2010年に彦坂有紀ともりといずみが始めた木版工房です。
日本の伝統工芸である「浮世絵」を現代の方々に伝えていくために、
木版画作品の展示や、ワークショップを通して木版画の普及活動を行っています。
また、“彦坂木版学校”という本格的な木版画の授業も行っています。

彦坂有紀(木版画家):2012年よりイラストレーターとしても活動をはじめ、
広告や食品のパッケージ、雑貨のイラストなどで幅広く活動しています。

もりといずみ(アートディレクター、図案家):『パンどうぞ』をはじめ、彦坂有紀の描いた木版を基に書籍や雑貨などのあらゆるデザインを行っています。彦坂木版工房主催の展示会や、木版画のお祭り「木版市」などのイベントの企画も行っています。(彦坂木版工房 公式HPより)

今回紹介する絵本に限らず、広告ポスターや書籍・雑誌の表紙画、雑貨や文具のグッズ制作、さらには木版についての展示会やイベント、木版学校を開校するなど、今や多方面で大活躍の彦坂木版工房ですが、

なんといっても一番の魅力でほかのクリエイターと一線を画すのは、すべて木版画で表現しているということです。

”木版画”って聞くと図工での版画だったり(図工が苦手なわたしには苦い思い出…)、浮世絵などちょっと懐かしいというか古いめかしい感じがしますが、確かにその表現技法は何版も彫り、色を重ねて摺るという浮世絵の手法と基本的には同じなんですよね。

でも、パンやケーキ、野菜や和菓子に手ぬぐいなど、わたしたちの生活にある身近なものを題材として取り上げることで、今まで見たことなかったような新鮮さとモノの質感が伝わってくるその風合いがとにかく魅力的です。

cake3
浮世絵と同じように、下絵を描く→下絵を反転させて、版木に写す→彫る→色をつける→摺るという工程で一枚一枚描かれているんですね。お二人でユニットとしてやる前は、彦坂さんがこの工程を全部一人でこなしていたそうです。

 

彦坂木版工房をもっと知りたい方は、女子クリエイターのためのライフスタイルつくりマガジン「箱庭 haconiwa」に、お二人のインタビュー記事もあるので、併せてぜひ!活動経緯やこれの制作程のお話などが読めますよ。

◇「箱庭 haconiwa」つくりびと 彦坂木版工房
第33回 http://www.haconiwa-mag.com/magazine/2014/07/hicohan-01/
第34回 http://www.haconiwa-mag.com/magazine/2014/09/hicohan-02/

 

●本物のケーキみたい!親子で「あーん」「ぱくっ」って言い合いながら読みたい一冊『ケーキ やけました』

さて、お待たせしました!こちらが彦坂木版工房の最新絵本『ケーキ やけました』。

今年の10月に発売されたばかりのまだ出来たてですよ。では、早速内容を見ていきましょう。

まず、表紙をめくるとお皿とフォークの扉絵が!このお皿にどんなケーキが盛り付けられんだろう?

cake4

これから始まるおはなしになんだかワクワクさせてくれる挿絵ですね。

 

続いてページをめくると・・・cake5
さらにページをめくると・・・cake6

と、見開き2ページにわたって一つのケーキを取り上げています。

 

このように「やけました」「あーん」を繰り返し、チーズケーキ以外にもバウムクーヘンやアップルパイ、カステラなどの焼き菓子を掲載しています。

cake7
そして、一番の魅力は木版画で摺られたこの風合い!

焼き色や中のしっとりした感じ、本物のチーズケーキにしか見えませんよね!!

質感や味、匂いまで伝わってくるような味わい深い表現でどのケーキも本当においしそう。

木版画の摺り方や色の表現方法って、食べ物を描くのに実はとっても合っているんですね。
圧巻は最後に出てくるホットケーキ!

ホットケーキのふわふわ感はもちろん、パウダーシュガーのきめ細い表現といったら!

これはぜひ、実際に手に取って見ていただきたいです!!

 

ストーリーはとてもシンプルですが、「おおきな おくちで あーん」や「そーっと あーん」、「ぱくぱくぱくっ!」と表現に変化があるので、子どもと一緒に声に出して読みたい一冊ですね。

「あーん」って読みながらお口にもっていく真似をすることで親子のコミュニケーションにもなったり、この本をきかっけに今度は親子で一緒にケーキを作ってみよう!という意欲にもつながるかもしれませんね。

いやー、お腹いっぱい、ごちそうさまでした。

cake9

●併せて読みたい!子どもはもちろん、パン好きのママパパにもおすすめの一冊『パン どうぞ』

cake10
併せてぜひ読みたいのがこちらの『パン どうぞ』。

彦坂木版工房の記念すべき第一弾木版画絵本で、2014年10月に刊行されました。

2015年ボローニャ国際児童図書展「Books & Seeds」にも選定された一冊です。

cake11
ceke12
「パン どうぞ」「ぱくっ」を繰り返し、あんパン以外にもロールパンやクリームパン、ジャムパンなどさまざまパンを木版画で表現しています。

”木版画は、その時の気温や湿度によって色ののり方が変わります。パンも、その日の気温や湿度によって膨らみが変わります。
木版画特有の色ムラをおさえてなめらかに摺ると、しっとりとしたバターロールが現れ、木目を強調して摺ると、かりかりのフランスパンができあがります。
木版画が、ここまでパンを描くのに適しているとは、これまで誰が気づいたことでしょう。”
(講談社 BOOK倶楽部 Webサイトより)

木版画の風合いがこんなにパンをおいしそうに表現してくれるなんて!

それと同じ形のパンが「ぱくっ」のページで一口かじられたことで、よりリアリティを増すというか、パンに表情が出るというか、なにか物語性みたいなものを感じさせますね。

cake13
どれこもこれもおいしそうなパンばかり。

これすべて木版画で描かれているんですよ!!

子どもはもちろん、パン好きのママパパにはたまらない内容ではないでしょうか?

「どのパンが好き?」と会話しながら、子どもと一緒に読みたくなる一冊ですよね。

 

ちなみに、我が娘は話し始める2歳前後の頃にこの本を一緒に読み、「パン どうぞ〜」というフレーズを覚えました(笑)。

 

みなさん、すっかり彦坂木版工房の絵本に魅了されたのではないでしょうか!?

何度も言いますが、見事な技法で本物のようにケーキやパンを描いているので、ぜひ手に取ってその風合いを見ていただきたいです。

子どもと一緒に読むのはもちろん、装丁デザインも優れているので、出産祝いやクリスマスなど本のプレゼントとしても最適ですよ♪

cake14
●『ケーキ やけました』 作/彦坂有紀、もりといずみ 講談社 刊 定価:本体1,200円+税
●『パン どうぞ』 作/彦坂有紀、もりといずみ 講談社 刊 定価:本体1,200円+税

 

◇参照元サイト
・彦坂木版工房 www.hicohan.com/index.html
・箱庭 haconiwa http://www.haconiwa-mag.com
・講談社 BOOK倶楽部 http://bookclub.kodansha.co.jp